スティルス・ウォッチ
2015.2.19 UP

日本製ミリタリーウォッチ JSDF

JSDFシリーズは自衛隊の協力のもとに開発されたミリタリーウォッチです。 なかでも、JSDFプロシリーズは、陸上自衛隊、海上自衛隊、航空自衛隊それぞれに求められる特性に応じて専用に開発されたモデルです。 その中で今回は、陸上自衛隊プロモデルを紹介します。

コンセプトは、隊員の一言から

「時計のね、ガラスをね、マジックで塗るんですよ」
ある隊員と話していたJSDF開発責任者は、耳を疑いました。その隊員は自分の腕時計のガラス部分をマジックで塗っていたのです。
「そんなことをしたら、時間が見えないですか」
「いいんですよ。時間を見る余裕があるときに、しっかり見ればいいんだから。」
私たちは陸上自衛隊員が常に意識している緊迫した状況を垣間見た気がしました。 陸上自衛隊は、攻撃対象にもっとも近接することが想定されます。特にレンジャーや偵察隊は、ミッションの性格上ステルス性が強く求められます。夜間行動において、月明かりなどに何かが反射して光ったら、それは命とりとなるからです。 通常、視認性は腕時計で最も重要な機能ですが、しかし、JSDFシリーズには、そんな時計の常識が通用しないことを知ったのです。
これが、陸上自衛隊モデルのコンセプトがステルスと決めた瞬間です。

攻撃対象ともっとも近接することが想定される陸上自衛隊。隊員は常にそのことを意識しています。

バイクは偵察隊に多く採用されています。敵と接近することが想定されているため、車体が目立たぬよう隅々まで艶消し塗装が施されています。


ステルス・ウォッチの誕生

開発責任者はさっそく社内のデザイナーや開発陣を呼んで、このコンセプトを伝えました。
しかし、作り手にとってみれば、時計作りの常識に反する”ステルス”を、どう実現してよいのか分かりませんでした。 もちろん、単純にステルス性を追求するのは簡単です。ケースもダイヤルもバンドも黒く塗ってしまえばいいのですから。 しかし、私たちは、安易な結論に満足はしません。
ステルス性を保ったままで、一定の視認性を確保するにはどうすればよいか。 陸上自衛隊という存在と品格を、時計のデザインに落とし込むにはどうすればよいか。 手探りで開発を進めていきました。 いくつものハードルをクリアして、JSDFプロ 陸上自衛隊モデルは誕生しました。そして現在、JSDFのラインアップの中で、もっとも人気のあるモデルの一つに成長したのです。

このモデルの大きな特徴はスモークガラスを採用したことです。これにより、ステルス性と視認性を両立することに成功しました。

ケースからバンドまでブラックIPが施されました。IPメッキは薄く非常に硬い表面加工で、ステンレス鋼の3倍の耐傷性を誇ります。過酷な活動の中で、ステルス性を長く保つために採用しました。


6時位置のスモールダイヤルには陸上自衛隊のエンブレム。クロノグラフは作戦開始からの経過時間を計るために必要な機能です。※写真の関係で、ダイヤルが通常より明るく写っています。

ダイヤルと時分秒針の蓄光塗料は、夜間での行動をサポートします。


ケンテックスは、ラグの自然な曲線には常にこだわっています。装着感を高めるポイントだからです。また、メタルベルトは火器のグリップを意識した意匠です。

手首へのフィットは、ミリタリーウォッチに必須の“機能”と言えます。


裏蓋には陸上自衛隊のエンブレムとシリアルNO.を刻印。

バックルまで黒で統一。バックルのストッパーには、JGSDF(陸上自衛隊)の刻印。